ストレートという名の魔球。

少し前の話題だが、プロ野球阪神タイガースのリリーフエース藤川球児投手の大リーグシカゴ•カブス入団が決まった。
 
野球に詳しくない方に説明すると、藤川選手は日本球界を代表する速球派の救援投手で、そのストレートのキレは“ストレートという名の魔球”とさえ言われている。
 
彼はいわゆる“松坂世代”で、入団時より松坂を意識した発言をするなどして注目され（おっさんの記憶では巨人相手に投げて抑えたいので巨人以外に入団したいと発言していたと思う。。）、最初は球速もあまり伸びなかったが、フォーム改造等に取り組んだ結果、才能が開花し“プロのバッターが予めストレートとわかっていても打てないストレート”を完成した。
 
清原との対決から直球勝負へのこだわりを持つようになって、プレーを見ている誰もがストレートだと思う場面で期待通りの“火の玉”のようなストレートで三振を取り続ける姿にタイガースファンは熱狂した。
 
ファンを湧かせたという点では、松坂やダルビッシュを遙かに上回っていたと思う。
 
正直言うと、彼の全盛期はもう少し前だったし、もっと早く大リーグに挑戦させてあげたかった。
 
しかし人気チームの絶対的守護神にそれは許されなかったし、本人自身も何とかタイガースをという気持ちもあって今シーズンまで頑張ってもらうこととなったと思う。
 
そこらあたりが松坂やダルビッシュと違うところだ。
 
この歳になってからの挑戦なので、日本の投球術の粋が詰まっているとはいえ、彼の今の球が大リーガーに通用するかどうかはわからない。
 
でも、高卒で大リーグに行きたいという選手が出てくるこの時代に、あの藤川が今から向こうで投げるということの意義は大きい。
 
そもそも入団するチームの戦力なんかをあまり考えていないところが男らしくて良い。
 
キャリアの最後に世界を腕っ節でねじ伏せられるかの力試しに行くつもりなのだと思う。
 
藤川が“世界の怪物”に飲み込まれるのか、はたまた東洋の魔球に怪物達が膝を屈することになるのか。。。
 
結果はどちらでも良い。
 
どちらの結果になっても、これぞ“プロの野球”と言えると思う。
 
とにかく楽しみである。