2012/06/01

ウチのばぁちゃん。


昨日、ばぁちゃんの見舞いに行った。


と言っても、ばぁちゃんはもう十二分に耄碌して呆けちゃってるので、おっさんが見舞いに行こうが五木ひろしが慰問に行こうがその違いは全くわからないのかもしれない。


彼女は、若い頃から頑健だったようで、親父は“ばぁちゃんは60歳くらいまでトンボ(バク宙)がきれた”なんて言ってるが、あのおっさんのかぁちゃんなのであながち嘘とは言い切れない。


癌が見つかって、医者から「もう今年の夏は越せないだろう」と言われてから今回で4度目の夏を迎えることになる。


でも、今思い返しても、おっさんにとってはとにかくガサツでウザいばぁちゃんだった。


年がら年中バタバタして、それこそ元旦の朝からウザかった。


いつも、元旦の朝は年始の挨拶もそこそこに、間髪入れずに「お雑煮にお餅はいくつ入れる?」と、とにかくエンジン全開で人を急かせる。。。


男の子3人を育て上げただけあって、とにかく食え!食え!とうるさい人だった。


おっさんだって大晦日の夜からおねぇちゃんと除夜の鐘を聞いたり御参りに行って朝帰りはしても、元旦くらいは家で過ごそうという気持ちから帰ってきているのである。


何も家族なんか知るか!なんて思っているわけではない。


しかし、このばぁちゃんには“正月くらいマッタリした時間を過ごす”なんて気持ちは1ミリもなく、とにかく正月なんてのは朝一から雑煮で餅をたくさん食って勢いをつける儀式くらいにしか思っていないのだ。


ただ、起きぬけに、親父が3個餅を食ったんだから若いオマエも3個はいっとかないとアカンなんて…そんなん知らんがなという感じである。


成人してからは二日酔いということも多かったのでホントにウザかった。


だからこちらも元旦から辛気臭い顔で「毎年餅は1個って言うてるやろ!」と、面倒臭そうに答えることになる。


ところが、その後出てくる雑煮には決まって餅が3個入っているのだ!


当然「何で?」ということになるのだが、この時も決まって彼女は「私が3個食べたのに、若い男が1個なんてありえんやろ」と言い返してくるのだ


じゃあ最初から何でいくつ入れるかなんて聞いてくるんだよ。。。


このくだりは連続10年くらい繰り返した。


そうそう!おっさんが小学生の頃も、完成したジグソーパズルの上に、袋に入った仕上げ用の白い粉糊を置いたまま出かけていたら、これを危ないクスリと早合点して勝手に家族会議なんてしてやがったこともあったな。。。


まぁとにかく彼女にまつわるウザい話は枚挙にいとまがない。


ところが不思議なもんである。


ばぁちゃんが倒れてから家族が変わった。


特に母親なんかはあれだけ嫁姑問題で毛嫌いしていたクセに、いくら長男の嫁だからってそこまでやるか?ってくらい毎日献身的に尽くしている。


ばぁちゃんも病院の飯はろくに食わないくせに、母親が炊いて持っていく下手くそな豆ごはんなんかは全部平らげるらしい。




おっさんは頭が悪いから、命の尊厳とかそういう難しいことはさっぱりわからない。


だけど、例えもう何も覚えていないこの状態がずっと続くのだとしても、やっぱりばぁちゃんにはもっと生きていて欲しい。


ばぁちゃんの魂が這ってでも前に進む姿を見て、家族は家族としての結束を強めているのだ。


もうわかんないだろうけど、言ってやりたい。


孫の俺は、ばぁちゃんの命が燃え尽きるところをこれからもしっかり見ているし、ウザかったことも絶対に忘れない。


それになによりこの3年間、俺は毎年正月の雑煮には餅を3個ずつ入れて食っているのだ。


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12 件のコメント:

  1. ほとんどの方が「食」の心配をしないで済む現代日本では考えにくいけど、おばあさんの時代では「生きる事」=「食べる事」だったんでしょうね。
    毎年勧められた餅3つ分の生きる力・・・いいですね。
    おばあさん、少しでも長生きしてほしいなぁ。

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    1. fuyuさんコメントありがとうございました!
      そうですね。
      彼女はいつも母親に「着るもの持つものはケチっても飯だけはきっちり食わせないといけない」と常々言っていました。
      多分、今年の夏も乗り越えてくれると思います。

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  2. 『ロン』さん、こんばんは。

    私は小さい頃からモチが嫌いでした。(苦笑)


    でもあとわずかな年数で60歳をむかえる者として、

    「お餅」が、やっとおいしく感じられるようになりました。

    私の母は81歳ですが、戦前・戦中・戦後を生き抜いた人は、

    「食べられるときに食べておけ」を実践しているのかもしれませんね。


    私にとっては母もそうですが、とくに大正生まれの「祖母」が思い当りました。

    良い時代に育った私には体験出来ないくらいの素晴らしい人生だと思います。

    たぶん、同じ環境では生きられません。


    当方のブログに書き込み、有難うございました。

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    1. やまちゃんさんコメントありがとうございました!
      人生の評価は、他人による絶対的な評価だけでなく、自分なりの評価ってのもありますよね!
      たまたまばぁちゃんはおっさんのばぁちゃんとしてウザい仕打ちで影響を与えてくれたのですから、おっさんも楽しい人生を送ってみたいと思っています。
      競争です!

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  3. おはようございます。

    私もおはあちゃん子だったので・・
    チョットだけジーンとしちゃいましたよ~。

    おはあちゃんはやっぱり特別な存在なんですよね。
    毎年お餅を3個食べているなんてロンさんは優しいね(^_-)-☆

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    1. junchanさんいつもコメントありがとうございます!
      おっさんはおばぁちゃん子じゃないですよ。
      どっちかって言うと犬猿の仲ってやつです。
      同じ時代に生きてたら絶対やだもんあんな人。
      まぁ餅は3個って言ってもちっこいヤツなんですけどね。。。

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  4. 頑健なおばあさまは、頑健な体の持ち主なのですね。
    大きな病気をなさっても、ロンさんやご家族の側に居てくれるんだもの。

    ロンさん、まだお若いんですね。
    おっさん、おっさん言うから
    かなりなお年寄りかとおもってましたよ^^笑

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    1. toriさんいつもコメントありがとうございます!
      ホントにウチのばぁちゃんは何であんなに身体が強いんだろう。。。
      そういえば毎日必ずトマト食ってたなぁ
      何か関係あるんかな?
      でも、夜更かししたりホント不健康な生活してたんですよ。
      細胞レベルで元気なんでしょうね!
      ってか、おっさんって説教臭いのでジジイみたいですかね?
      でも、実際、toriさんが思ってる以上におっさんですよ☆

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  5. こんにちは
    ばぁちゃん!昔のエネルギッシュな日本に生きた日本人って感じですね。
    昔は、正月になると廊下に板?に置かれた餅が山積みされて
    ひとり3個くらいペロっと食べていたことを思い出しました。
    今はお餅ひとつでやっとですが(笑)
    それを仕切っていたのは、うちも「ばぁちゃん」でしたよ。三代同居でしたからね~
    なんか懐かしいです。
    ronさんの「ばぁちゃん」がんばってほしいです~~

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    1. ライリさんコメントありがとうございます。
      ウチのばぁちゃんは、おっさんが子供の頃までは同居ではなかったんですが、正月には親父とおっさん餅を食わせに必ず現れたんですよ(笑)
      でも、あの人も見栄っ張りだから、家族で散々見舞いに行けばまだまだ頑張ってくれそうです。
      今年の夏は涼しければ良いなぁ。。。

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  6. ロンさん こんばんは♪
    拙いブログにお越し下さいましてありがとうございます(^.^)
    写真しかありませんが よかったらこれからも遊びにいらして下さいね。

    今のばぁ~ちゃん位の歳の人って元気で丈夫な方多いと思っています!
    下手すりゃ若者の方が体力的にも負けてしまうかも知れませんよ~。
    多分ロンさんのばぁ~ちゃんも 根っから丈夫な人だったからこそ今も頑張ること出来るんだと思いますよ。
    ばぁ~ちゃんガンバレーーーーー♪

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    1. Kouさんコメントありがとうございます!
      おっさんは写真を撮るのがヘタでそれが更新の妨げになっています(笑)
      だから写真が綺麗なブログは憧れます。
      またお邪魔しますね!

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